氏(ケンイチ氏とかそういうの)

今まで何の疑問も持たずに使ったり使われたりしてたが、言われてみれば「**氏」という敬称を会話や公的文章で見聞きしたことはない。
せっかく興味がわいたことだし、改めてちょっと考えてみることにしよう。


まず一般的な敬称としては

  1. 「課長」「教授」などの役職
  2. 殿
  3. さん
  4. くん(君)
  5. ちゃん

なんてのがある。まあ「ちゃん」を敬称といっていいのかよくわからんが。
実際にはどうか知らんが「役職」≧「様」≒「殿」>>「さん」>「くん」>>>「ちゃん」って感じで敬意や心理的距離があるイメージがある。
よく知らない人の場合とりあえず書き言葉や電子文書なら「様」を、話し言葉なら「様」か「さん」を使うのが無難な気がする。
いずれにせよ、何を使ってるかによってその人に対する敬意というか心理的距離感の違いをあらわしているのは間違いなかろう。


では「なぜ、どういう状況でこれらの敬称を使わず『〜〜氏』なんて呼称を用いるのか」を自問してみる。
さっきも書いたが「初対面」とか「ネットの向こうのよくわからない何か」とかいう
どういう敬称をつけていいかわからない人物に対してなら敬意の有無に関わらず「様」をつけるのが無難だろう。
リアルタイムのチャットみたいな話し言葉に準じそうな状況であっても「さん」でいい。
にもかかわらずわざわざ「**氏」なんて呼称を使う以上、少なくとも無意識のうちに何らかの意図を持って使っているのである。
思い起こしてみると「様づけやさんづけじゃ流石によそよそしすぎるだろう」とか、そんな事を考えて使ってるような気がする。
じゃあ「君」でいいじゃねえかという気もするが、そういえばあんまり文章で「**君」って見ないな。
その辺に原因があるんだろうか。


ここまで書いて思い出したが「様付けやさん付けはためらわれるが、かといって呼び捨てにするのもどうか」という状況で使われる接尾語といえばあれだ。
「容疑者」や「被告」だ。
……あれとおんなじノリで使ってるんだろうかなあ。そう考えるとあんまり使わないほうがいいのかもしれないなあ。