アクトタイトル:蒼の輝石と飢えたる魔竜

アクトトレーラー

時は1066年、北狄の大討伐が失敗に終わり、二人の王が歴史の闇に沈んだ頃


リーズ将軍率いる地獄搭の勇士たちは、
北狄からの防御に備え近隣の掌握と要塞の復旧に苦心していた
そこへ、北方より現れた北狄の軍勢
率いるは財宝に餓えたる闇の鎖の使者“魔竜ダルグフェン”
立ち向かうは命知らずの地獄搭の勇士たち
そして、至上の宝物に選ばれた一人の少年
かくして、歴史の影に埋もれた英雄たちの戦いが始まったのである


ブレイドオブアルカナ“蒼の輝石と飢えたる魔竜”


アルカナの刃よ、闇の鎖を打ち砕け!


全体的な注意事項

  1. このアクトでは荒くれ者の雰囲気を出すためにやや下品な表現や演出を盛り込む予定である。それらの表現に嫌悪感を持つ人は参加希望の前にその旨を事前に申し出ること
  2. また、このアクトは戦記ものと見せかけて戦争前の築城や政治工作に主眼が置かれている。そういったことがまだるっこしいという方はこのアクトを十分に楽しめない可能性が高い

レギュレーション

年代:1066年
消費経験点上限:100点以下、101点以上は要相談
エピックプレイ:採用


各PCには以下の設定がつく

PC1:地獄搭の勇士に志願した
 推奨特殊因果律:悲しき恋のさだめ(LoG、P203)
PC2:地獄搭で一軍を指揮している
 推奨特殊因果律:覇王の落胤(LoG、P175)
PC3:地獄搭で兵站調達を担っている
 推奨特殊因果律:ベルクフリートの誓い(LoG、P67)
PC4:七至宝を追っている
 推奨特殊因果律:特になし
PC5:英雄譚を求めている
 推奨特殊因果律:放浪の詩(LoG、P267)


上記の推奨因果律は「必ず修得しなければならない」というものではなく、「これ以外の修得を認めない」というものでもない。あくまで“推奨”である。


ハンドアウト

PC1 因縁:○主従/“小覇王”リーズ 推奨アルカナ:アクア
 君がこの地獄搭で戦う勇士に志願した理由はただひとつ、あの日遠目に見た女将軍、リーズに心奪われてしまったからだ。だが、志願兵になったところで身分卑しい君がリーズにおいそれとあえるはずもない。そんな鬱屈した日々をすごすうち、君は偶然綺麗な蒼色の石を拾った。君はその石をリーズに届けようと、日々心を込めて磨きつづけた。
 それが、君の物語の始まりであった。


注意事項:関係は別に“慕情”でもよい。因みにリーズは1066年時点で18歳である

PC2 因縁:○信頼/“小覇王”リーズ 推奨アルカナ:コロナ
 君はリーズに一軍を任され、北狄と戦う将である。とはいえ前途は多難である。先の戦で矢種は尽きかけ、城壁もいくらか破壊された。何より、敗北により兵の士気も低下し、規律に綻びが見え始めている。こんなとき北狄に攻め込まれてはひとたまりもない。
 そして、君は感じ取っていた。敵は、遠からずやってくると。

PC3 因縁:○強敵/魔竜ダルグフェン 推奨アルカナ:ステラ
 君は、ここ地獄搭の物資や兵隊たちの給金などを管理している。君の悩みは尽きない。現状物資は底をつきはじめ、ドラッヘンブルクからの補給も期待できない。要塞は昨年の歴史的大敗による傷跡を癒す余裕もなく、壊れかけの城壁を曝している。
 そんな折、行商人の一人からこんな噂を聞きつけた。「あと3月もしないうちに、この地に魔竜ダルグフェンが北狄の軍勢を率いてやってくる」と。

PC4 因縁:○秘密/“七至宝”    推奨アルカナ:特になし
 君は、持ち主に強大な力を与えると言われる“七至宝”を追っている。その1つが、アイルハルトの時代にスヴァンヒルデによってシルトマウアー要塞に運び込まれたという。
 信憑性のない話ではあるが、他に手がかりもない。君はシルトマウアー要塞へ向かった。

PC5 因縁:☆慕情/新たなる英雄譚  推奨アルカナ:特になし
 君は今、北狄との緊張に曝されているシルトマウアー要塞にて歌を披露している。こんな辺鄙なところへやってきた理由はただひとつ、北狄と戦う英雄の生き様をこの目に焼き付け、新たなる英雄譚を紡ぎだすためである。
 そして、何やらまたぞろ胡乱の気配がここ地獄搭を覆い始めた。戦乱が近い、君の長年の勘がそう告げていた。


特別ルール

 今回のアクトでは、PC共通のリソースとして以下の数値を持つ。


1:物資
 要塞が蓄えている資金や余剰食料、建築資材などを現す。初期値2


2:規模
 シルトマウアー要塞の防御の堅牢さなどを現す。初期値0
 戦闘時、シルトマウアー要塞内にいるキャラクターは以下の恩恵を受ける。
 1:奇跡によるものを除く全ての受けた実ダメージ[規模]点軽減
 2:奇跡によるものを含む全ての与える実ダメージ+[規模]
 3:最大で[規模]個までのバッドステータスを選択し、それを無効化


3:民忠
 近隣の治安や、住民の要塞に対する支持率などを示す。初期値1


4:錬度
 兵がの士気や訓練の度合い、及び装備の充実さを現す。初期値1


5:戦力
 実際に戦闘に影響する数値。[民忠×錬度×5]で固定
 キャラクターに戦力をN点預けることにより、そのPCの判定値およびHPを+Nする
 この効果はアイテムによるものとして扱い、マイナーアクションで取り外せる


魔竜ダルグフェン襲来までの3ヶ月間、半月を1単位として以下のように進行する。但し三ヶ月目の後半は強制イベントがあるため、PL側に与えられた行動権は5単位となる。


1:方針決定フェイズ
 マスターシーンとする。全員が登場し、各PLはそれぞれ以下のイ〜への6行動からどの行動をとるか決定する。このとき、使用する技能と特技も宣言する必要がある。複数人が同じ行動を選択してもかまわないが、イ〜ニまでの行動は複数人の中で「最もよい結果」1つだけが採用される。
 また、この際に所持する[戦力]を各PCに割り振ってよい。


イ;物資調達
 コネから金を借りたり、近隣住民から支援を募ったりする。演出は様々だが、データ的にはこの行動を選択すると[物資]が+[民忠]される。このとき〈交渉〉または〈事情通〉判定を行い、成功するとさらに+1、クリティカルすると+2される。但し、失敗すると本来得られる+[民忠]も得られない。


ロ;築城・修繕
 シルトマウアーを修繕する。[物資]を2消費することで[規模]を+1する。このとき〈交渉〉または〈錬金術〉を行い、成功するとさらに+1(合計+2)にでき、クリティカルするとその上で[物資]の消費が1になる。但し失敗すると無駄に[物資]が2消費されるだけで[規模]は増加しない。
 判定後(判定を行わないなら宣言後)に必要な[物資]を消費できなかった場合、[物資]が0となって[規模]の増加も発生しない。


ハ;治安向上
 近隣の治安を向上させたり、北狄を追い払ったりすることで近隣への影響力を増大させる。[物資]を2消費することで[民忠]を+1する。このとき〈交渉〉または〈事情通〉を行い、成功するとさらに+1(合計+2)にでき、クリティカルするとその上で[物資]の消費が1になる。但し失敗すると無駄に[物資]が2消費されるだけで[民忠]は増加しない。
 あるいは〈交渉〉判定の代わりに北狄を退治してもよい。具体的には「オークトループ20人3グループ」と戦闘し、勝利すると〈交渉〉判定でクリティカルしたのと同等の結果を得られる。この戦闘は宣言だけで撤退することができるが、撤退した場合無駄に[物資]が2消費されるだけで[民忠]は増加しない。
 判定後(判定を行わないなら宣言後)に必要な[物資]を消費できなかった場合、[物資]が0となって[民忠]の増加も発生しない。


ニ;訓練・武器調達
 兵を訓練したり、武装を整えたりすることで兵一人当たりの戦力を増強させる。[物資]を2消費することで[錬度]を+1する。このとき任意の[攻撃]を行い、成功するとさらに+1(合計+2)にでき、クリティカルするとその上で[物資]の消費が1になる。但し失敗すると無駄に[物資]が2消費されるだけで[錬度]は増加しない。
 判定後(判定を行わないなら宣言後)に必要な[物資]を消費できなかった場合、[物資]が0となって[錬度]の増加も発生しない。


ホ;支援
 どこかの行動に同行し、[タイミング:メジャーアクション]の支援を行う。このとき全登場キャラクターは[エンゲージ]しているものとして扱う。
 支援は本来の行動の前に行うこと


ヘ;情報収集・その他
 その他、シナリオ中に出てきた人物や因縁を持つ対象に会って情報を収集することもできる。この方法で調べないと発生しないイベントもあるので注意すること。
 また、後述する追加施設の建設もこの行動の範疇に含まれる。それぞれの追加施設に記された条件をこの時点で満たしているもののみ、建設が可能である。
 建設の時点でに必要な[物資]を消費できなかった場合、[物資]が0となって建築も失敗する。



 各“PL”に与えられた行動権は1回だけである。つまりPCがファミリアやトループを所持していてもそれらはPCと同時に行動することはできない。但し登場さえしていれば[タイミング:メジャーアクション]以外の行動を行うことは可能である。



2:行動フェイズ
 1で決定した行動ごとにシーンを用意し、決定したとおりの判定を行う。なお、どの行動から行うか、及びシーンプレイヤーはシーンタロットがめくられてから決めてよい。また、別種の行動を同一のシーンで行ってよい。
 各キャラクターは方針決定フェイズでの行動に対応したシーンのみに登場できる、但し∵神移∵や∵不可知∵など奇跡による登場は可能である。このとき登場したキャラクターは任意の行動を行ってよい。
 各PLに与えられた行動権は1回だけである。但し∵不可知∵、∵戦鬼∵、∵絶対攻撃∵等の奇跡による追加行動は例外である。もちろん、これら奇跡による追加行動は行動フェイズ本来の結果を見てから使用を決定してよいし、奇跡は[舞台裏]からでも使用できることは覚えておくこと。
 また∵紋章∵を使用することでそのシーンにおいてクリティカルで成功した場合と同じ結果を得る。但し∵真名∵と違い実際にクリティカルしたわけではないのでシーンタロットが正位置にはならない。



3:イベント発生フェイズ
 何らかの条件を満たした場合、このフェイズにおいてイベントのシーンが発生する。シーンプレイヤーや登場するPCはそのつどGMが指定する。もしイベント発生条件を満たしていない場合、このフェイズはスキップされる。
 因みに、初期状態では本国からの補給が完全にストップしているため、このフェイズで[物資]が−2される、[物資]が2未満の場合は兵士の暴動が起こり[民忠]が0になるというイベントが発生する。
 また、PC間のイベントがPLから提案され、GMが許可した場合はこのフェイズでシーンを設定する。


追加施設

これらの施設は書かれている条件を満たした時点で即座に効果が適応される。たとえば“城教会”なら行動フェイズで建築の行動を行った時点で仲間ユニットが一人追加されるし、“地域実効支配”なら方針決定フェイズで物資を消費した時点で[民忠]に等しいだけの[物資]を得ることができる。

小覇王
条件;PC人数4人以下
効果:仲間ユニット*1としてリーズを得る。リーズは0経験点のアングルス=コロナ=アクシスとしてPLが自由に作成してよい。


地域実効支配
条件:民忠5以上、物資4消費(PCの行動は不要)
効果:方針決定フェイズ時点で自動的に[物資]が+[民忠]されるようになる。


診療所
条件:規模4以上、物資3消費、PC1行動
効果:クリンナップフェイズに物資を1消費することでシーン(選択)を対象とした[応急手当]を行い、自動成功するようになる。これは[昏倒]によるダメージや[死亡]の処理の直前に行うものとする。


七つの丘との盟約
条件:物資6消費、PC1行動
効果:仲間ユニットとしてGoBサンプル“炎の人形”を得る。このとき、《元力:●》の種類を任意のものに変更してかまわない。


射撃台設置
条件:規模4以上、錬度5以上、物資4消費、PC1行動
効果:仲間ユニットとしてGoBサンプル“脅威の射手”を得る。但しこの仲間ユニットは聖痕を持っておらず、シルトマウアー要塞の外に出ることができない。代わりにバリスタ10個を所有している。


学芸院(プリモ・ユリダス)
条件:民忠6以上、規模6以上、物資6消費、PC1行動
効果:仲間ユニットとしてGoBサンプル“知の探究者”を得る。


居館(パラス)
条件:規模5以上、錬度5以上、物資5消費、PC1行動
効果:仲間ユニットとしてGoBサンプル“不破の騎士”を得る。


城教会(シュロスキルヘ)
条件:民忠6以上、規模7以上、物資5消費、PC1行動
効果:仲間ユニットとしてGoBサンプル“イスマリアの聖徒”を得る。


宮殿(レジデンツ
条件:民忠8以上、規模8以上、錬度8以上、物資10消費、PC1行動
効果:PLが管理する全てのキャラクターが「シルトマウアー要塞内にいる」として扱われる。


新しい大浴場
条件:民忠3以上、規模3以上、物資4以上(物資や行動を消費する必要はない)
効果:特に意味はないが設置すると生活レベルが向上したような気になれる。また何かしらのイベントが発生するかもしれない。

*1:PCと同じように扱い、独立した行動をとることができる。但し代償はPCの誰かが代わりに支払う